手術療法

変形性肘関節症と関節リウマチの手術療法について

変形性肘関節症の手術療法

ひじの痛みが続いたり、骨の変形によって日常生活に支障があったりするケースでは、手術による治療を行います。

症状が軽度~中程度であれば、尺骨神経に悪影響を及ぼす骨棘や軟部組織を取り除きます。症状が重度の場合は、金属やプラスチックで作られた人工関節を取り付ける「人工関節置換術」を行うのが一般的です。

人工関節置換術

変形や痛みの原因となる関節部分を取り除き、金属やプラスチックで作られた人工関節に置き換える手術です。変形性肘関節症による変形も手術の際に矯正できます。障害の程度によって使用する人工関節は異なり、障害が進むにつれ複雑な人工関節部品が必要となります。

関節鏡視下術

関節の周囲にあけた小さな穴から高性能カメラなどが付いた内視鏡を挿入して手術を行います。患部をモニターに拡大して映せるため、状態を細かくチェックしながらの手術が可能です。従来の手術と比べて、正常組織への損傷や感染症を防ぎやすいだけでなく、手術跡も小さく患者さまの体への負担を抑えられます。

関節リウマチの手術療法

関節リウマチの主な手術方法は「滑膜切除術」「人工関節置換術」「関節固定術」「関節形成術」の4種類です。どの術式を採用するかは、症状のある部位などによって異なります。症状が重度の場合は人工関節置換術を行います。

滑膜切除術

関節リウマチによって関節滑膜が炎症を起こし、疼痛や関節が動かしにくいなどの症状がある場合に行う手術です。炎症を起こしている滑膜を切除することで疼痛の解消を目指します。軽度~中等度の関節炎・破壊のある関節の手術で採用されるのが一般的で、重度に進行したケースで行われることはほとんどありません。関節内視鏡を使用した手術や関節に穴をあけて行う方法があります。

人工関節置換術

人工関節置換術は、変形した関節の一部を取り除いて人工関節に置き換える手術です。関節リウマチの症状が進行し、関節の変形や破壊が進んだケースでは人工関節置換術を採用することがあります。痛みの原因部を取り除き人工関節に置き換えることで、痛みの緩和が期待できます。

関節固定術

人工関節が作られていない場合や、人工関節では術後の安定性や有用性が見込めないなどのケースでは、関節固定術を採用することがあります。関節を固定することで痛みの大幅な改善が可能です。関節固定術は、主に手、指、足、頸椎などの固定しても障害が出にくい箇所で行われます。

関節形成術

薬物治療の発展に伴い、近年では関節をできる限り残す治療を採用するケースも増えてきました。関節形成術には、関節の一部を削る、骨の一部を切除後に人口靱帯で固定するなどさまざまな方法があり、症状の進行度や部位に合わせて適切な施術を行います。関節形成術は自身の関節を残す手術のため、症状が初期~中期の関節が残っている患者さまが適応です。

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