腱板断裂について
腱板断裂とは
肩関節は、球状になった上腕骨の先端と受け皿のようになった肩甲骨によって構成され、周囲の軟骨組織や筋肉、腱によって安定性を確保しています。この、骨と筋肉をつなぐ腱が加齢や外傷などによって切れてしまうのが腱板断裂です。
主な症状として、肩関節の動きが悪くなる、夜間痛、力が入りにくくなるなどがあります。ただし、腱板断裂は進行がゆっくりであることや一部だけで起こるケースが多いため、痛みを感じにくく、症状自体に気が付かないこともあります。
腱板断裂の原因
腱板断裂が起こる原因として多くは加齢です。腱板を構成する組織が弱くなることで断裂しやすくなったり、腱板が滑り込むスペースが狭くなり、摩擦によって腱板が切れやすくなったりします。特に、仕事や運動などで長年肩を酷使している方は、特に腱板に負担がかかりやすく、断裂しやすいため注意が必要です。
加齢以外でも、転倒して手をついた際の衝撃などで断裂することや、体質的な要因によって発症することもあります。
慢性的な痛みがある場合は専門機関の受診を
腱板断裂は「肩を動かした際の痛み」や「痛みで腕を上げにくくなる」などの症状を伴うことから、五十肩と間違われやすい病気です。しかし、五十肩は徐々に痛みが治まり自然に治癒するのに対して、完全に断裂した腱板は痛みが治まっても自然に治ることはありません。
五十肩と腱板断裂の違いには以下のような点が挙げられます。
痛みの違い
五十肩はこれ以上腕が上がらない部分で痛むのに対し、腱板断裂は腕の上げ下げをしているときにも痛みを感じます。
肩を動かす際の異音
腱板断裂の場合は、肩を動かす際にシャリシャリと腱板がこすれる音がします。
腱板断裂と五十肩の見極めは、自己判断では難しため、肩に違和感を覚えたら早めに専門機関の診療を受けるようにしましょう。