関節リウマチってどんな病気?
関節リウマチは、関節包(関節を包む被膜)の内側にある滑膜に炎症が起こる病気です。指、手関節、ひじ、ひざ、足関節など、全身の関節で炎症が起き、軟骨や骨の破壊、関節の変形をまねきます。発症原因はいまだ不明ですが、自己の免疫システムが軟骨や骨、靭帯を傷つけてしまう自己免疫疾患の一種と考えられています。
「リウマチ」と「関節リウマチ」ってどう違う?
骨や関節、筋肉などの運動器が、免疫異常により全身的な炎症を引き起こし、体を侵していく病気を総称して「リウマチ性疾患」と呼びます。リウマチ性疾患には、膠原病(こうげんびょう)、痛風(つうふう)、変形性関節症など100種類以上もの病気が含まれますが、膠原病のなかでも代表的な病気が「関節リウマチ」です。
「関節リウマチ」の主な症状は、関節が炎症することで起こる関節の痛みや腫れです。指、手関節、ひじ、ひざ、足関節など全身の関節で炎症が起こります。
関節リウマチの国内患者数
厚生労働省が2018年に公表した「内科からみたリウマチの現状」によると、国内の関節リウマチ患者数は60~100万人程度だと推測されています。特に、女性に発症しやすく、30~50代での発症が一般的です。
ただし、比較的若いうちから発症するリスクもあり、小児の頃に発症することもあります。
※1 「内科からみたリウマチの現状」2018年3月 厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ等対策委員会
関節リウマチが起こるメカニズム
関節リウマチは、関節包(関節を包む被膜)の内側にある滑膜で免疫異常を起こすと、血管を通じて炎症細胞が集まります。炎症細胞のなかには、白血球(リンパ球やマクロファージなど)が含まれ、滑膜内で「炎症性サイトカイン」という炎症反応を促すさまざまな化学物質を分泌します。
この炎症性サイトカインは、破骨細胞や滑膜組織の過剰産生といった組織異常を引き起こす腫瘍壊死(しゅようえし)因子です。その結果、軟骨・骨の破壊が進み、やがて関節の脱臼や変形へとつながります。
関節リウマチの主な症状と治療法
関節リウマチの初期症状として、関節の痛みや腫れ、こわばり、発熱などがあります。関節を動かしていないときにも痛みが生じ、左右の関節で同時に症状が出やすいことも特徴です。
進行すると以下のような症状も現れ、日常生活に支障をきたします。
- 関節が腫れる
- 関節液(かんせつえき)が溜まり、いわゆる「ひざに水が溜まった」状態になる
- 関節の軟骨や骨が破壊され、関節の脱臼や変形が起こることもある
関節リウマチの治療には、主に「薬物療法」「リハビリテーション」「手術療法」が行われ、症状や進行度に合わせて、3つの方法を組み合わせて治療していきます。