1991年、埼玉医科大学医学部を卒業後、同大学病院の整形外科に入局。その後、国立障害者リハビリテーションセンター病院、青梅市立総合病院(現 市立青梅総合医療センター)、秩父市立病院、朝霞台中央総合病院(現 TMGあさか医療センター)などを経て、2005年にうなやま整形外科を開院。それ以来、横浜市保土ヶ谷区で医療を提供している。専門領域は脊椎。これまでテレビやWebメディアへの出演実績も多数ある。
医師・専門家インタビュー
リハビリ、再生医療、栄養療法、患者さまとその家族を幸せにする治療方法が揃っている

20年以上にわたって、横浜市保土ヶ谷区周辺にお住まいの患者さまと向き合い続けている、うなやま整形外科。リハビリテーションに力を入れながら、再生医療や栄養療法も行っている同院の宇南山賢二院長に、これまでの治療経験から患者さまへどのような提案、説明を行っているかを伺った。
手術に魅せられ、小児科ではなく整形外科の医師へ

――まず、宇南山先生が医師を志したのはいつでしょうか?
高校3年生のときですね。ほかの方と比べると、医師を志した時期は遅いかもしれません。ちょうど将来について考える機会があった中で、「お金を稼ぐために」「自分のために」働くということに、どうしても価値を見出せずに進路で悩んでいました。
そんなとき、脳裏に浮かんだのが小児科の開業医だった父の姿です。地元の街を父といっしょに歩いていると、すれ違った患者さまたちから「先生、いつもありがとうございます」と声を掛けられました。その光景を何度も目にするうちに、「医師というのは、人の役に立つ仕事なんだ」と感じたことを思い出します。
そこから、父のように「誰かのために働かなければいけない」という考えに至り、医師以外の選択肢がなくなったのです。
――お父様は小児科医とのことですが、なぜ整形外科を選ばれたのかお教えください。
整形外科では、手術に携わることで、対処療法だけでなく、原因療法もできるようになると考えたからです。さらに、整形外科の手術現場で用いる道具が、幼い頃に憧れていた大工工具と似ていたこともあります。
骨に穴を開けたり、削ったりするためのドリルや電動ノコギリ、骨を固定するためのスクリューなど。これらの道具を扱って手術を行えることに魅力を感じ、整形外科を選びました。
――実際、これまでに手術を経験されてきたのでしょうか?
はい、大学病院に勤めていた頃、私の専門領域である脊椎の手術を担当していました。開業医になってからは手術の機会が少なくなりましたが、当時の経験を当院で活かせています。
たとえば、脊椎の疾患がある患者さまの中には、手術を行えば痛みや違和感がまったくなくなると思っている方も少なくありません。しかし、これまでの経験からするとご高齢の患者さまの場合、何かしらの症状が残るケースが多々あるのが実情です。患者さまが手術療法の効果を期待し過ぎないようにするためにも、こうした術後のリアルな状況を正直にお伝えすることを心掛けています。
――貴院では、「患者さまとその家族を幸せにする」というミッションを掲げています。ここに「ご家族」を含めているのは、なぜでしょうか?
患者さまの幸せは、その家族にも波及すると考えているからです。患者さまが痛みで苦しんでいるとき、その姿を間近に見ているご家族もきっと辛い思いをしているでしょう。
私たちが患者さまの痛みを改善できれば、患者さまのみならずご家族も安心できるでしょうし、幸せになれると信じています。
リハビリテーションでは、理学療法士がいることで原因治療が可能に
――うなやま整形外科では、リハビリテーションでの治療に注力されていますね。
はい、そうです。開業から10年ほどは、牽引装置や電気治療器といった機械を用いた物理療法のみでした。それらを通じて症状が良くなる患者さまもいましたが、私自身「身体機能の回復までには至ってない」と感じていました。
そんな中、医療関連の学会や地域の医師会のセミナー、勉強会で学んだり、大勢の理学療法士がいる整形外科医院の先生たちから話を聞いたりするうちに、理学療法士の重要性に気づきました。
医院に理学療法士がいることで、患者さまの身体に直接触れて状態を見極めながら、その機能を取り戻していくためのサポートやアドバイスができます。こうした治療こそ意味があると確信し、理学療法士の採用と同時に、運動器リハビリテーションに力を入れるようになったのです。
――患者さまに対して、意識的にリハビリテーションを勧めているケースはありますか?
はい、ありますね。たとえば、再生医療を行った後のリハビリテーションで、治療の効果を高めることを期待して提案することがあります。ほかにも、四十肩、五十肩の治療で「サイレントマニピュレーション(麻酔下で行う関節授動術)」を行った場合もです。
サイレントマニピュレーションは、注射を打って終わりの治療ではありません。その後、肩関節の機能を高めるために、理学療法士の手による治療も大切になります。そこで、私たちは術後の2週間は、週3回程度の通院によるリハビリテーションを呼び掛けています。
治療後、そのまま放置してしまうと、人間本来の自然治癒力の働きで元の状態に戻ってしまう上、その状態で肩関節が再び固まってしまうのです。
――サイレントマニピュレーションを行った際、患者さまに自宅でのトレーニングも指導していますか?
はい、ご自宅にあるテーブルや壁、タオルなどを用いたソフトなトレーニングを指導しています。処置直後ならば、両手を肩幅程度に広げながらテーブルについてお辞儀をする動作で、肩関節の可動域を広げることを意識してもらうこと。患者さまにはこのトレーニングを時間が許す限り取り組むよう伝えています。
リハビリテーションの効果を最大化するためには、「自身で治すんだ」という前向きな気持ちを持つことが大切です。その上で、医院でのリハビリと並行して、自宅でのトレーニングも繰り返し行うことが、リハビリテーションの効果に直結していきます。
▼リハビリテーションについては、以下の記事で解説しています。
【医師監修】肩関節のリハビリテーションとは?主な疾患別に紹介
【理学療法士監修】膝の痛みに対するリハビリテーションとは?自宅でできるセルフケアもご紹介

当院では再生医療を選択した患者さまの多くが前向きな変化を

――うなやま整形外科では再生医療も行っています。この治療を始めたのは、いつからでしょうか?
6~7年前から始めています。2026年2月時点までの治療実績数は約180件で、この大半が当院のある横浜市内にお住まいの患者さまになります。
特に印象に残っているのが、両膝の痛みで悩まれていた男性の患者さまです。半年ほど、当院でヒアルロン酸注射を打っていましたが、一時的な効果しか得られないという状況の繰り返しで、将来への不安を抱くようになっていたことから、再生医療をご提案しました。
実際、再生医療を行った結果、その患者さまから「両膝の痛みが減少した」という声があったため、今まで続けていたヒアルロン酸注射を打つ必要もなくなりました。そのため、今はまったく当院に通院しなくて済むようになりました。
――これまでの治療実績を通じて、宇南山先生が何か感じていることはありますか?
ありますね。当院での治療実績のうち、再生医療後に「症状に前向きな変化があった」という患者さまは多くいます。一方で、症状がほとんど変わらない方もおり、あらゆる方に効果が期待できる治療ではありません。
そのため、私たちが再生医療を提案する場合、効果が不十分だったケースもあわせて情報を開示し、患者さまからしっかりと納得を得られた上で行うようにしています。
――ほかにも感じていることがありましたら、お教えください。
一般的には、膝の軟骨がまったくなくなってしまった方に再生医療を行う場合、「症状が良くなった」と感じる患者さまの割合はおおよそ半数程度と言われています。しかし、これまでの診療実績からの体感値では、5割以下になるのではないかと。
だからこそ、膝の軟骨がすり減っている患者さまが再生医療を検討する場合、軟骨がまったくなくなる前に行うべきであることを強く訴えるようになりました。
――うなやま整形外科では栄養療法も行っています。その治療では、どのようなことを行っているのでしょうか?
片頭痛やアレルギー症状、肌の悩み、お子様の成長など整形外科疾患以外のお悩みがある患者さまに対し、採血を通じて、患者さまの不足している栄養素を割り出します。その結果にもとづいて、食事で取り入れるべき栄養素を指導し、それでも不足するものがあったり、早急な改善の必要があったりするようなときは、医療用のサプリメントで補うことを提案しています。
実際、関節の痛みがある患者さまの中で栄養療法に取り組んでいる方もおり、必要な栄養素を摂取することで、症状の改善に加えて、疲れにくさや肌の状態の良さを感じているという声を耳にしています。
――最後に、関節の痛みを抱えている方へメッセージをお願いします。
関節の状態が悪くなりきってしまうと、手術以外の選択肢がなくなる恐れがあります。そのため、痛みを感じたり、違和感を覚えたりした時点で、整形外科医院に相談することが肝心です。
初期症状であれば、複数の治療から選べるでしょう。仮に、高額な治療を勧められても、自身に合わないと判断すれば断ることも可能です。治療効果を得る、治療費を抑えるという観点でも、早期に整形外科医院を受診し、治療のタイミングを逃さないようにしてください。
インタビューした医師・専門家


