コラム(開業医向けサイト)
【徹底解説】整形外科クリニックが“書籍出版”でブランディングを強化する方法|専門性を可視化して信頼を築く戦略

内閣府や総務省からの発表によると、日本では総人口の29.3%を65歳以上が占めています。この高齢化社会では、関節症や骨粗しょう症などを患っている方も少なくないため、整形外科クリニックに対するニーズが高まっていると言えるでしょう。
こうした状況にもかかわらず、「地域での認知度が低い」「クリニックの特徴が地域の方々に伝わっていない」など、整形外科クリニックのブランディングが進まず、集患や増患に悩まれている開業医、経営者も多いはずです。この課題を解決するための方法のひとつとして「書籍出版」があります。
本記事では、整形外科クリニックの開業医、経営者に向けて、書籍出版で得られる効果をはじめ、事例や手順、費用などについて解説します。
【参照データ】
内閣府|令和7年版高齢社会白書(概要版)
総務省統計局|統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで‐
目次
この記事で分かること
・整形外科クリニックが書籍出版で得られる効果
・整形外科クリニックが書籍を出版する際の手順
・整形外科クリニックの書籍出版にかかる費用
・整形外科クリニックの書籍出版を成功させるためのポイント
なぜ今、整形外科クリニックに書籍出版が必要なのか
整形外科クリニックのほとんどはホームページやWeb広告に力を入れていますが、医療広告ガイドラインによって「他のクリニックよりも優れている」といった直接的な表現ができません。その結果、どのクリニックも似たような情報を発信することになるため、ブランディングが難しくなっています。
こうした中で、ブランディングのための有効施策になるのが書籍出版です。ここでは今、整形外科クリニックに書籍出版が必要な理由について解説します。
①信頼獲得
書籍はすぐに内容を書き換えられないからこそ、信ぴょう性の高い情報ツールとして認識されており、患者さまからの信頼獲得や、医師の権威性向上などに有効です。
また、整形外科クリニックの独自性をはじめ、医師の診療実績や専門性を丁寧かつ詳細に説明できることから、「このクリニックで受診したい」「この先生に診てもらいたい」という集患につなげられます。
② LLMO/AIO対策
近年、ホームページを制作・運用する場合、SEOだけでなく、生成AIに最適化させるLLMO/AIOの対策も必要になっています。この中で、書籍の出版情報を整形外科クリニックのホームページ上に掲載すれば、信頼性、権威性を高めるエビデンスになることから、検索エンジンや生成AIから「信頼性のある情報」として認識される可能性が高まります。その結果、検索時に上位に表示されたり、生成AIの回答に引用されたりすることで、自院の認知度やブランドが向上し、患者さまの来院を促進できるでしょう。
③インターネットを利用されていない世代へのリーチ
総務省の公表資料によると、2023年のインターネット利用率は86.2%で、ほとんどの世代で利用されていることがわかります。ただし、下図の通り、70~79歳は67.0%、80歳以上は36.4%と利用率が低いことから、Webサイト上でマーケティング施策を行っても、インターネットを利用されていない方には認知されない恐れがあります。
そこで、書籍を出版すると、リアルな書店で販売できたり、新聞広告で宣伝できたりするため、インターネットを利用されていない方にもリーチできるようになるでしょう。

【参照データ】
総務省|令和6年通信利用動向調査
整形外科クリニックが書籍出版で得られる効果
整形外科クリニックが書籍を出版した際、実際にどのような効果を得られるのでしょうか。ここでは、「ブランディング面」「経営面」の2つの側面から解説します。
①ブランディング面での効果
医師のポジション確立
書籍では、医師の知見や診療実績などをしっかりと説明することで、専門性や権威性を証明できるため、「膝の痛みなら、この先生」「スポーツ整形のエキスパート」といったポジションを確立できます。
クリニックや医師の認知度向上
書籍はテレビ、新聞、Webサイトなどのメディア関係者にとって、専門家を探す際の貴重な情報源となり得ます。書籍出版をきっかけにメディア取材や講演依頼を受ける可能性が増えるため、整形外科クリニックや医師の認知度を向上できます。
インナーブランディングの推進
出版した書籍を自院のスタッフ全員に配布し、クリニックの理念や治療方針などを理解、浸透させることで、スタッフのモチベーションやエンゲージメントの向上が期待できます。これらが実現すれば、質の高い医療サービスを提供できるようになるでしょう。
採用ブランディングの強化
書籍の出版を通じて、整形外科クリニックの魅力や医師の考え方などを発信することで、それらに共感した求職者が集まりやすくなり、採用のミスマッチを防いだり、離職率を下げたりできるようになります。
②経営面での効果
スムーズな診療
患者さまが書籍をきっかけに来院する場合、医師の専門分野や治療方針、人柄を理解していると考えられます。そのため、患者さまとコミュニケーションが取りやすく、診断や治療方法を説明するための時間を短縮できる可能性があります。
再診率の向上
書籍を読んだうえで、その著者、または監修者の医師がいる整形外科クリニックを受診される患者さまは、医師の専門性や治療方法を理解しています。そのため、身体の痛みや違和感を改善、解消するための通院意欲が高いと言えるでしょう。こうした患者さまが増えることで、再診率の向上も期待できます。
収益性の向上
書籍の中で医師がおすすめする治療方法として、再生医療や注射療法などの自費診療について解説した場合、その理解や価値を高められるため、患者さまの受診率アップが期待できます。
また、自費診療は各々の整形外科クリニックで自由に診療費を決められます。そのため、自費診療を希望する患者さまが増加すれば、クリニックの収益性を高められるため、安定した経営基盤も築けるでしょう。
クリニックの書籍出版事例
書籍出版によって得られる効果を理解した後、次に知りたいのは実例ではないでしょうか。実際、整形外科に限らず、クリニックが書籍を出版しているケースは多々あります。
ここでは、出版した書籍に対して評判の良い口コミから、ブランディングの強化につながっている事例を紹介します。
事例1:まつだ整形外科クリニック|ひざ革命 -最期まで元気な歩行を可能にする再生医療-

出版の目的
膝の痛みを解消するための選択肢のひとつとして、再生医療があることを広める
出版後の口コミ
・再生医療が身近な存在になっていることを教わった
・再生医療という選択肢が増えたことで、これからの生活に希望があると感じた
・再生医療に関する治療データが参考になった など
【関連記事】
ひざ関節の痛み解消ナビ|再生医療で「ひざ革命」を起こす。まつだ整形外科クリニックの治療実績
事例2:千里中央花ふさ皮ふ科|ハイブリッド皮膚科 -開業5年で急成長を遂げた次世代クリニックの軌跡-

出版の目的
保険診療と自費診療を掛け合わせた治療サービスを提供し、皮膚科クリニックの経営を成功させていることを広める
出版後の口コミ
・先生のすべてが記載されており、その透明性と誠実さを感じた
・読者はこの先生のもとに、患者として行ってみたいと思うはず
・このクリニックで働きたくなる一冊 など
整形外科クリニックの書籍出版の手順【完全ガイド】
書籍出版を決心された場合でも、「どのような手順で進めていけば良いかわからない」という方も多いはずです。そうした方に向けて、ここでは5つのステップに分けて解説します。
このステップを踏むことで、戦略的かつスムーズに書籍を出版できるだけでなく、ブランディングを強化できるでしょう。
ステップ1:強みと目的、ターゲットの明確化
まず、自身で「クリニックの強みは何か」「誰に読んでもらいたいか」を明確にすることが、書籍出版の成功の鍵を握ります。
クリニックの強みの整理
他のクリニックにはない治療方法、日本での導入数が少ない医療機器、豊富な治療実績など、自院の強みを洗い出すことで、書籍のテーマを見出します。
ターゲットの選出
自院の強みを起点に、「どのような方に向けて情報を発信したいか」を明確にすることが大切です。書籍のテーマを決めやすくなるだけでなく、医師からのメッセージが深く響くようになります。
ステップ2:出版方法の選択
書籍を出版する際、商業出版や企業出版、自費出版のいずれかを選ぶことになります。それぞれのメリット、デメリットは以下の通りです。
| メリット | デメリット | |
| 商業出版 | ・費用負担が出版社になるケースが多い ・書籍が売れた場合、印税収入を得られる ・全国の書店に流通できたり、宣伝・販促活動ができたりするため、大勢の方に読まれる可能性がある | ・出版社から「売れる」と見込まれた企画でなければ、出版が実現しない ・書籍のテーマ、原稿の内容など出版社の意向が強く反映されるため、整形外科クリニックの自由度が低い ・診療と並行して、原稿の締切を守る必要があるため、心理的負担や手間がかかる |
| 企業出版 | ・整形外科クリニックが希望する企画で制作しやすいうえ、原稿内容の自由度も高い ・全国の書店に流通できるだけでなく、複数の見本誌を受け取って自身の希望に合わせて活用できる | ・費用負担の一部が整形外科クリニックになる ・商業出版に比べて、販売する書店数や、宣伝・販促費が少ない |
| 自費出版 | ・企画から原稿内容、装丁まで細部まで整形外科クリニックの希望を叶えられる ・原稿の締切がなく、自身のページで制作できる | ・出版から宣伝・販促までの費用負担がすべて整形外科クリニックになる ・出版社の編集者と進められない場合、個人の技量が品質に反映される ・印刷部数が限られるため、大勢の方に読まれにくい ・販売数が少なければ、赤字になる可能性がある |
整形外科クリニックに適した出版
3種類の出版方法のうち、企業出版が整形外科クリニックにもっとも適していると言えます。企業出版には費用がかかりますが、希望の企画で制作できるうえ、原稿内容の自由度も高いことから、ブランディングの強化を目指せるでしょう。
ステップ3:出版社、出版プロデュース会社の選定
書籍の出版を決断したら、出版社と出版プロデュース会社を選定します。このパートナー選びが書籍の品質向上、さらにはブランディングの成功の鍵になります。
適切な出版社と出版社プロデュース会社を選ぶためのポイント
・整形外科をはじめ、医療関連の出版、コンテンツ制作の実績があるか
・リアル、ネットの書店で販売できるか
・項目ごとに費用を明示した見積書を受け取れるか
・医師の企画や目的に深く理解、共感を得られるか
医療関連に強い出版社、出版プロデュース会社
医療関連の出版、コンテンツ制作の実績が豊富であれば、医療広告ガイドラインを遵守した表現、ターゲットが求める内容などを理解しているため、高品質な書籍をつくれます。
たとえば、以下が医療関連の出版、コンテンツ制作に強みを持つ企業です。
・出版社|株式会社クロスメディア・マーケティング
医師が著者、監修者となる書籍の出版実績が豊富です。書籍を出版する際、Webメディアや書店、イベント、セミナーなどでのプロモーションをはじめ、新聞やWebでの広告宣伝もセットで展開できます。
・出版プロデュース会社|株式会社ファングリー
医療系メディア「ひざ関節の痛み解消ナビ」を運営、管理する企業です。医療関連のホームページや記事の制作経験が豊富なライター、編集者が在籍しており、整形外科クリニックの開業医、経営者からの要望や希望を書籍に反映できます。
ステップ4:執筆、編集、校正
出版社、出版プロデュース会社との契約締結後、書籍の中身を制作していく工程に入ります。ここが書籍の完成度を大きく左右するポイントになるため、事前に理解しておくと良い点を紹介します。
制作期間の目安
企業出版の場合、企画の確定から原稿の完成まで3〜6ヶ月程度を要します。クリニックの診療と両立するためにも、出版社や出版プロデュース会社とともに現実的なスケジュールを立てることが大切です。
両立のコツ
診療と執筆を両立させるためには、一週間の中で一定の執筆時間を設ける、移動や休憩の際にチェックするなど、日常生活の中に組み込むと良いでしょう。また、一回で原稿を完璧に仕上げようとせず、「構成を考える」「原稿を執筆する」「原稿を見直す」など、執筆の工程を分けることもおすすめです。
プロのライターの活用
仕事が多忙だったり、文章作成に自信がなかったりする場合、医療に関する知識や知見を持つプロのライター(ゴーストライター)に依頼する方法もあります。プロのライターに依頼した場合、自身は原稿の構成や監修に注力できるため、負担を軽減できるでしょう。
ステップ5:出版、流通、プロモーション
原稿の完成後、印刷や加工といった工程を経て販売されます。この出版された書籍を大勢の方に届けることが、集患やブランディングを成功させる鍵になるでしょう。以下に、出版から流通、プロモーションに至るまでに知っておくべきことを案内します。
印刷期間の目安
書籍の仕様やページ数、印刷部数によって異なりますが、企業出版の場合、印刷から納品まで2週間〜1ヶ月程度かかります。表紙のデザインを凝っていたり、書籍の中面をカラーにしていたりすると、さらに時間を要するケースもあるため、事前に担当者に確認しましょう。
Amazonでの販売
企業出版や商業出版の場合、書籍がリアルやネットの書店で販売されます。とくに、Amazonで販売できれば、大勢の方の目に触れるだけでなく、レビューやランキングがプロモーションにもなるため効果的です。
イベントやSNSでの発信
書籍の出版を機に、院内での記念イベントや、地域の方を対象としたセミナーを開催しましょう。また、整形外科クリニックのホームページやSNSで書籍出版をアピールすることも重要です。これらプロモーションの中で、書籍を名刺代わりに用いることで、ブランディングを強化できます。
整形外科クリニックの書籍出版にかかる費用
書籍出版では、出版方法によって費用負担や収益の仕組みが異なります。ここでは、出版方法別の費用相場や、印税の仕組み、投資対効果(ROI)の考え方について解説します。
出版方法別の費用相場
出版方法によって費用負担が大きく異なります。事前に、それぞれの費用相場をしっかりと把握しておきましょう。
| 費用相場 | |
| 商業出版 | 0円〜 |
| 企業出版 | 500〜1,000万円程度 |
| 自費出版 | 100〜500万円程度 |
印税の仕組み
商業出版や企業出版を選んだ場合、印税を受け取れます。印税とは、著作権を持つ方(著者)が書籍の販売部数に応じて出版社から受け取る報酬のことです。印税の算出方法や印税率は以下を参照ください。
印税の算出方法
印税=販売価格(税込) × 販売部数 × 印税率
印税率
| 印税率 | |
| 商業出版 | 5〜10% |
| 企業出版 | 5〜10% |
| 自費出版 | なし※印税ではなく、売上分配金 |
なお、Kindleなど電子書籍の場合、35%または70%のいずれかの印税率を選べるのが特徴です。
費用の内訳
企業出版を選択した場合、主要な費用の内訳は以下の通りです。この内訳を理解することで、見積りの妥当性を判断できます。
| 内訳の項目 | 内容 | 費用のポイント |
| 編集、ライティング費用 | 企画構成、目次作成、プロのライターによる取材・執筆、編集作業(企業出版の中で、もっとも費用を占める項目) | プロのライターを起用するかどうかで費用が大きく変わる |
| デザイン、DTP費用 | 表紙・カバーのデザイン、本文のレイアウト(DTPとは、デスクトップ・パブリッシングの略称で、パソコンを用いて印刷物用のデータを制作する技術のこと) | 魅力的な表紙は、リアルの書店でユーザーの目を引くため、重要になる |
| 印刷、製本費用 | 用紙代、印刷代、製本代 | 印刷部数によって費用が大きく変動する |
| 流通、プロモーション費用 | 書店への配本、販促物の制作、Web・SNSでのプロモーション支援 | 書籍を販売する書店数や、プロモーションに用いる媒体や手法によって、費用が加算される |
投資対効果の考え方
書籍出版を出費ではなく、ブランディングの強化、さらにはクリニック経営を成功させるための投資と捉えることが重要です。Web広告や新聞折込チラシなどを出稿した場合、これらの掲載を取り止めてしまうと、集患効果を得られなくなる恐れがあります。
一方、書籍を出版した場合、整形外科クリニックやその医師の権威性、信頼性を証明し続ける資産になるため、長期に渡っての集患やブランディングの効果を期待できます。
また、書籍をきっかけに来院する患者さまは、クリニックやその医師への信頼を寄せている可能性があります。そのため、患者さまが自費診療を選択する可能性も高くなり、LTV(顧客生涯価値)の向上にも貢献します。こうした患者さまが増加すれば、出版費用がかかっても数年単位で回収が見込めるでしょう。
整形外科クリニックの書籍出版を成功させるためのポイント
書籍出版は、整形外科クリニックのブランディングを強化し、集患につなげることがゴールです。そのためには、制作時から出版後までの取り組みが重要になります。ここでは、書籍出版を成功させるためのポイントを解説します。
読者目線
医師の専門的な知識は、読者に理解されなければ意味がありません。そのため、書籍出版では読書目線の文章を徹底することが大切です。
専門用語の分かりやすい解説
専門用語の多用は禁物です。読者が理解しにくいうえ、途中で読まれなくなってしまう恐れがあります。専門用語を用いる場合も、読者のために平易な言葉に置き換える、注釈を入れて補足するなどを心掛けましょう。
患者さまの不安や疑問への寄り添い
「自身の病気は本当に治るのだろうか」「リハビリテーションのほかに、治療の選択肢はないのだろうか」など、治療に対する不安や疑問を解消するための回答を盛り込むことで、読者から共感を得られやすくなります。
実践的で役立つ情報の提供
書籍には専門知識の羅列ではなく、日常生活の中で取り組めるリハビリテーションなど、読者が実用的な情報を提供することで、「この先生に相談したい」という感情を呼び起こします。
自院の独自性
同じ地域に複数の整形外科クリニックがある場合、患者さまから選ばれるためには他院との差別化が不可欠です。書籍をクリニックの独自性をアピールする場にしましょう。
他院にはない強みの訴求
専門分野における豊富な治療実績、再生医療での治療、最新医療機器の導入など、自院ならではの強みを記載し、他院との違いを明確にすることが大切です。
医師の考え方や人柄の説明
整形外科医師を目指したきっかけ、注力している治療方法、どのように患者さまと向き合っているかなど、医師の考え方や人柄も説明することで、読者から親近感や信頼感を得られるうえ、「この医師から診断を受けたい」という感情を呼び起こせます。
改善事例の紹介
整形外科クリニックや医師が力を入れている治療方法の成功事例を紹介することで、読者への説得力が増します。患者さまの個人情報を保護しつつ、できる限り症状が緩和、改善された事例を掲載すると良いでしょう。
出版後の活用戦略
書籍は出版して終わりではありません。出版後も書籍を効果的に活用することで集患やブランディングの効果を最大化できます。
クリニックでの販売、配布
書店以外でも書籍を流通させて、整形外科クリニックや医師についての認知度を高めることが大切です。そのため、待合室に見本を置いて受付で販売するようにしましょう。
ホームページや医師のブログでの紹介
整形外科クリニックのホームページや医師のブログで書籍について発信すれば、権威性や信頼性を高められます。これがインターネット上でのSEO対策やLLMO/AIO対策になり、検索ページで上位表示されたり、生成AIの回答に引用されたりする可能性があります。
地域のイベントや講演会での活用
地域のイベントや講演会を開催し、そこで書籍を紹介・販売することも有効です。潜在的ニーズを持つ患者さまへアピールできるだけでなく、その方たちからの口コミ効果も期待できます。
メディアへの露出
書籍をフックに、テレビやラジオ、新聞、Webサイトなどのメディアから取材依頼があれば、積極的に引き受けることがおすすめです。メディア露出が高まれば、さらなる権威性の向上を目指せます。
整形外科クリニックの書籍出版で注意すべきポイント
書籍出版を成功させるためには、注意点についても理解しておく必要があります。とくに、整形外科クリニックの場合、医療広告ガイドラインの遵守、継続的なマーケティング戦略が重要な要素になります。
医療広告ガイドライン
原則、治療方法などを紹介するための書籍であれば、広告には該当しないため、医療広告ガイドラインの対象外になります。しかし、書籍の内容から特定の医療機関に誘引していると判断された場合、広告として見なされるため、医療広告ガイドラインを遵守しなければなりません。
万が一、医療広告ガイドラインに違反した場合、信頼性を大きく損ないます。患者さまからの評判や口コミにも悪影響が及び、クリニック経営を悪化させる恐れがあるため、書籍の内容によって医療広告ガイドラインに沿った表現にしましょう。
【参照データ】
厚生労働省|医療広告ガイドラインに関するQ&A
【関連記事】
【徹底解説】整形外科のための医療広告ガイドライン対策
継続的なマーケティング戦略
長期的な集患効果を得るためには、書籍のテーマや内容を生かして、継続的なマーケティング戦略の実行も必要です。たとえば、整形外科クリニックのSNSで書籍を紹介した場合、そのテーマや内容に関連した医療情報やQ&Aを発信し続けることで、「このクリニックは、常に役立つ情報を発信している」という印象を与えられるため、ユーザー数の増加だけでなく、新規の患者さまの来院も期待できるでしょう。
書籍出版はクリニック経営を成功させるための投資
書籍出版では、整形外科クリニックの専門性や医師の権威性をしっかりと証明できるため、ブランディングの強化に有効です。そのブランディング効果を得られれば、長期にわたる集患を期待できます。
また、書籍を読んだうえで来院する患者さまが増えた場合、整形外科クリニックに対する信頼性の高さから再診率や自費診療率が向上し、収益アップも見込めます。
クリニック経営を成功させるための投資でお悩みならば、書籍出版を検討しましょう。
